ドリフター必見。油圧サイドブレーキ取り付けのメリット・デメリット

ドリフター必見。油圧サイドブレーキ取り付けのメリット・デメリット

皆さんこんにちは。しゃふと屋 商品リサーチ担当 ミスターXです。
普段しゃふと屋では、商品リサーチやテクニカルな部分でのお客様対応を務めさせていただいております。

ドリフター必見!競技車両では装着されていない車両を見かけないほど普及率が高くなっている"油圧サイドブレーキ"についてお話していきたいと思います。

ウンチクは置いておいて、手っ取り早く取り付けに必要なものからご覧になりたい方は一気にスクロールしていただき、下から順にご覧ください。

サイドブレーキは、一般的な使用用途である"パーキングブレーキ"としてだけでなく、ドリフト走行やジムカーナを楽しむドライバーにとって欠かせない装備です。

ラリーの世界で一般的となり、その後ドリフト車両への装着が瞬く間に広まった油圧式サイドブレーキ。

ケーブル式サイドブレーキとの違い。メリット。そして、どのように部品を選んで、どのように取り付けをするのか。ここでは、ドリフト車両として一般的なニッサン シルビア系シャーシを基本にお話ししていこうと思います。

目次

●ケーブル式サイドブレーキとの違い
●油圧サイドブレーキのメリット
●油圧サイドブレーキのデメリット
●油圧サイドブレーキの取り付けに必要となる部品



ケーブル式サイドブレーキとの違い

ニッサン シルビアなどに一般的に装着される片押しシングルピストンのキャリパーは、キャリパー1つが2つの役目を果たします。


この手のキャリパーはフットブレーキとして働くとともに、サイドブレーキレバーを引くと、パーキングブレーキとしても働きます。

フットブレーキは油圧。サイドブレーキはケーブル式となります。
こちらの純正キャリパーには、あなたが求める"ロック性"を再現するために様々な社外パーツが用意されていて、それらを組み込めば申し分ないロック性能を発揮することは間違いありません。

例えば、URAS社から販売されているタツノオトシゴや、Projectμ社が販売するD1Specシリーズのような高性能ブレーキパッドを装着すれば、この手の1potキャリパーでも時速100キロ程度の速度から十分にリアタイヤをロックさせることができます。

更には、スカイライン・JZX系の車両に純正採用されるインドラムタイプのブレーキでは、上記の1potキャリパーよりもロック率が高く、キャリパーはフットブレーキ、ドラムはサイドブレーキ。とそれぞれ一人一役を担っています。


ここでご紹介する"デュアルキャリパー仕様"は1つのリアタイヤに対して、キャリパーを2つ装着し、フットブレーキとサイドブレーキ、それぞれのキャリパーに一人一役を任せることを指しています。

純正サイドブレーキでもロックするのだから、問題ないじゃないか。といったところなのですが、それでもなぜ油圧サイドブレーキを装着するのにメリットがあるのか。

それはロック率の高さ。ではなく、コントロール性の高さ。が理由です。

次よりご紹介していきます。



油圧サイドブレーキのメリット


1.コントロール性の高さ
油圧サイドブレーキを装着する最大のメリットは、何といってもその「コントロール性の高さ」にあります。

ケーブル式サイドブレーキは、ケーブルの張り具合や状態によって効き具合が安定せず、特にこういった年代の車両はケーブルが伸びてしまっていることも少なくはありません。


一方、油圧サイドブレーキでは、通常のフットブレーキ同様に油圧システムを介してブレーキキャリパーを直接制御するため、ケーブル式に比べて圧倒的に反応が早く、レバーの引き具合によって効きをコントロールすることが可能です。

最初に述べたニッサン 1potキャリパーで陥りやすい事象として、コーナーの進入などでフットブレーキとサイドブレーキを同時に使用したとします。先にサイドブレーキを降ろしても、フットブレーキが掛けられている間は、ケーブルによって縮まったキャリパーには余力が残っており、サイドブレーキを降ろしているはずなのにリアタイヤはロックしたままとなってしまい、スピンモードになることがあります。

これは路面ミューの低いウェット路面などで起きやすく、フットブレーキを掛けながらロックさせずにタイヤを転がして減速をしたいのに、一度ロックしたタイヤがそのままロックし続けることにより、車両をうまくコントロールできなかったりします。

逆に、レバーを引き始めてからリアタイヤがロックするまでのスピードが早いドラムブレーキタイプのサイドブレーキは、リーディング側のシューに自己倍力作用が働くため、一瞬でガツンと効かせるようなオン・オフのサイドブレーキには適していますが、サイドブレーキをヌルっと効かせたい場合には向いていません。

デュアルキャリパー仕様にすることにより、これらの事象を解決し、1potキャリパータイプにも、ドラムブレーキタイプにもできないようなサイドブレーキの効かせ方が可能になる、というわけです。

2.レバーから伝わる反応スピードの速さ


ケーブル式タイプのサイドブレーキでは、キャリパーに対する入力方法が機械式であるといえます。レバーを引くことにより、ケーブルに繋がるレバーのフックがケーブルを引っ張り、T字に分かれたブラケットが左右のワイヤーへと力を分散し、キャリパーに付くケーブルマウントが引かれ、サイドブレーキが動作します。一部、このたるみを利用して絶妙なブレーキコントロールをしているドライバーもいらっしゃいますが、これには相当な練習量を必要とするでしょう。


一方、油圧サイドブレーキは独立したマスターシリンダーをレバーに直接備えており、絶対に裏切らないコンスタントな制動力と瞬発的な反応力の高さを生み出します。

3.サイドブレーキレバー位置を自在に変更することができる

通常、サイドブレーキレバーはシフター横、シート脇に純正装着されています。このレバーを持ち上げる動作によりブレーキを効かせるわけですが、油圧サイドブレーキレバー装着時には別途専用レバーの取り付けを必要とします。

レバーには縦引きなどと呼ばれる縦型のレバーを手前に引くタイプのレバーがあり、ステアリングからすぐに手を伸ばせる位置にマウントできるのも油圧サイドブレーキ取り付けのメリットの一つといえるでしょう。


4.ブレーキによって自在に操ることができる加重移動
通常、7:3や6:4の前後ブレーキバランスが一般的でフットブレーキを強く踏み込んだ際には舵取りの要となるフロントタイヤに重量バランスがいくよう、フロントブレーキがリアブレーキより強く効くようになっています。

高性能ブレーキパッドをリアに装着することによって、サイドブレーキの効きを向上させた分、前後ブレーキバランスを犠牲にしてしまっていることを忘れてはいけません。

デュアルキャリパー仕様とすることにより、フットブレーキとサイドブレーキ、それぞれを分けて作動させることによりドリフト走行中の前後加重移動を自在に操ることが可能となります。

もう少しいうと、進入時はフットブレーキの制動により故意にノーズダイブ現象を作り出し、フロントタイヤに面厚をかけることによって(リア荷重も抜くことによって)鋭く振り出す。そこに油圧サイドブレーキを効かせることによって、アクセルを踏み込む準備をするためにフロントに大きくかかった荷重をリアに移していく。といったイメージです。鍵となるのは"油圧サイドブレーキによってリア荷重を作り出せる"ということです。

この動作は、1potキャリパー装着車ではなかなか生み出すことが難しく、油圧サイドブレーキ特有の動きといえるでしょう。



油圧サイドブレーキのデメリット

油圧サイドブレーキには、もちろんデメリットも存在します。以下に代表的なものを挙げてみます。

1.一定コストがかかる
油圧サイドブレーキの取り付けには、新たに部品をそろえる必要があります。キャリパーを追加するためのブラケット、レバー、マスターシリンダー、ブレーキライン、キャリパー、パッド、ローターなど揃える商品次第ですがおおよそ10万円から15万円が相場といえます。

2.メンテナンスを必要とする
油圧サイドブレーキはドライバーが強い力でレバーを引くことによって高い圧力を生み、キャリパーへと伝えます。よって、ブレーキホースは高圧に耐えられる強度が高いもの、そしてタイヤや駆動系等に巻き込まれないよう正しい取り付けが必要です。車体から伝わる振動により、フィッティングが緩んでしまったり、ホースをフレームに留めている個所が緩み、駆動系に巻き込まれて油圧がかからなくなる、なんてことは少なくはありません。キャリパー本体がブラケットから緩んでしまうことなどもあり、一定のメンテナンスが必要になることも確かです。

3.ばね下重量の増加
キャリパーを1つずつ増やすこと、さらには純正より大きな径のブレーキローターを必要とするケースもあり、ばね下重量がかさむことは避けられません。重要増はサスペンションセットアップにも影響をきたす可能性があることを念頭に入れておきましょう。

4.パーキングブレーキの取り外し、移設が必要となる
取り付けるキットによっては、パーキングブレーキ用にドラムブレーキを取り付ける必要があったり、そもそもパーキングブレーキがなくなる可能性もございます。ラインロックキットなどを利用して、油圧サイドブレーキをパーキングブレーキ代わりにすることも可能ですが、車検付で公道走行がメインとなる車両には一工夫が必要となることが多いことも覚えておかなければなりません。



油圧サイドブレーキの取り付けに必要となる部品

※ニッサン S13 / S14 / S15 / 180SX向け


1.追加キャリパー

デュアルキャリパー仕様にするためにはまず、追加するキャリパー2つを用意しなければなりません。必要となるキャリパーは、キャリパー追加ブラケット次第となりますが、こちらでは多くのメーカーが追加キャリパーとして推奨しているキャリパー2種類をご紹介します。

ニッサン 2potキャリパー
スカイライン系のリアに純正装着されている2potキャリパーです。ヤフーオークションや解体屋さんでも見つけるのが困難になってきている今日現在。弊社では、"純正同等2potキャリパー"として新品で購入できるRofu製 2potキャリパーをお勧めしております。

こちらはニッサン 純正2potキャリパーと全く同じ規格で設計されており、ブレーキパッド、ピストンなどのオーバーホールキットもすべてニッサン純正品が使用できる優れものとなります。

Wilwood 小型2potキャリパー
こちらのビレットキャリパーは、非常に小型で追加キャリパーとして多く使用されています。小柄なキャリパーサイズとは裏腹に大きなピストンを備えているのも特長の一つです。



こちらのキャリパー用のブレーキパッドは多くの選択肢が用意されています。尚、パッドはキャリパーを取り外さずに車上で交換可能となります。

2.追加キャリパー用アダプター

今日現在、様々なメーカーからシルビア系リアナックル用デュアルキャリパーアダプターが販売されているなか、弊社がお勧めする追加キャリパー用アダプターは下記2種類です。

GKtech ニッサン 2potキャリパー用デュアルキャリパーブラケット



GKtech Wilwood 小型2pot用キャリパー用デュアルキャリパーブラケット



どちらもリアナックルとリアハブ取り付け面に挟み込んで取り付けを行うタイプとなり、溶接加工は一切必要ございません。一部、リアナックルのキャリパー取り付けタブの切断は必要となりますが、サンダー等で簡単に切り落とせる部分なので、特殊工具は必要なく、自宅で取り付けを行えるレベルとなります。




3.追加キャリパー用ブレーキホースキット

レバー部にマスターシリンダーが備えられる油圧サイドブレーキレバーには、独立してそれぞれのキャリパーとの間にブレーキホースを取り付けなければなりません。レバーを強く引くことにより、ブレーキホースに高い圧力がかかるため、自身でブレーキホースを製作する自信がない方には、汎用・車種別のブレーキホースキットをご用意しております。

Sikky Manufacturing プルバック 油圧サイドブレーキ用 汎用デュアルキャリパーラインキット

こちらのキットには3本のホースと三つ又フィッティング、そしてレバー・キャリパー2個用のフィッティングが付属しています。バルク貫通フィッティングは付属しないため、フロアにある穴を利用して車外へホースを通し、駆動系に干渉しないよう取り付ける必要があります。


Chase Bays 油圧サイドブレーキ ニッサン S13 / S14 / S15シルビア / 180SX ブレーキラインキット



こちらは車種専用設計の油圧サイドブレーキ用ブレーキラインとなり、バルク貫通フィッティングが付属するため、ラインをスマートに取り付けることが可能となります。車内側ライン3本、車外側ライン2本、三つ又、そして、レバー・キャリパー2個用のフィッティングが付属しています。車種専用設計で取り回しが決まっているため、取り回しに頭を悩ませる必要がないのが特長です。



4.油圧サイドブレーキ用レバー

ヤフーオークションなどのショッピングサイトに非常に安価なおもちゃのようなレバーを多数見かけますが、個人的な意見としては絶対に使用しないでください。というのが本音です。

理由としては下記の内容があげられます。

●とにかく左右前後にガタがすごい
●安物マスターシリンダーは突然油圧が抜ける

せっかくお金をかけて油圧サイドブレーキを取り付けるのです。重要な部品にケチることによって大事な愛車を全損させてしまうようなことはどうにか避けていただきたい。

レバー選定は本当に大事です。

ここではわたしが使用してきたレバーのなかで、おすすめのTOP4をご紹介します。

ASD プルバックハンドブレーキ

油圧サイドブレーキレバー専門メーカーASD社が販売するサイドブレーキレバーです。ヤフーオークションで同じような見た目の格安製品が売られています。それらはマウントベースの構造も違えば、Wilwood製のマスターシリンダーもついていません。お気を付けください。


Sikky Manufacturing プルバックハンドブレーキ

こちらは模造品を見たことがありません。楽天市場等で見かけるものは直販売でお取り扱いをする日本の代理店様ですので安心してご購入いただけるかと思います。ビレットレバーとWilwood製マスターシリンダーと一緒にお使いいただけます。



KoruWorks プルバックハンドブレーキ

遊び心があるカラーが特徴的なKoruWorks(コルワークス)製、レバーです。レバー・マウント共にビレットアルミでできており、ベアリングの精度も高くおすすめです。こちらにも、Wilwood製マスターシリンダーが付属いたします。



ミスターX一番のオススメ。WiseFab プルバックハンドブレーキ

こちらはわたしが使用した中で一番精度が高いレバーと自信をもっていえます。
ベアリング支点で発生しがちな左右のがたつきが一切なく、カチッとしたフィーリングが特徴的です。


5.ボルトオンレバーマウント

油圧サイドブレーキのレバーを取り付ける際、どうしても避けられない悩みがレバーマウント。一般的にはトランスミッショントンネル脇に箱を溶接し、しっかりとマウントベースを作らなければならないのですが、本格的な競技車両ではない限りなかなか敷居が高いのも事実。間違った場所に溶接してしまった日にはシートがスライドしなくなったり、フロアごともぎ取れてしまうこともあります。

そのような煩わしい溶接加工作業をせず、フロアカーペットを残したままレバーを簡単に取り付けたいという方に超お勧めなのがこちらのマウントプレートです。

MA-MOTORSPORTS ボルトオン 油圧サイドブレーキ レバーマウントプレート


※画像左側、取り付けイメージは左ハンドル車用製品です

純正のゴム製シフトブーツを留めるM6ボルト4本と共締めすることにより、油圧サイドブレーキレバーを取り付けることが可能となるビレットプレートです。他メーカーで薄いスチールプレートのマウントが販売されていますが、個人的な経験としてはレバーを思いきり引っ張るとトンネル全体が持ち上がるようなひ弱さがありましたがこちらのプレートは厚さがあり、プレート自体に強度があるため、レバーを引いた際にフロアトンネルが持ち上がったり、レバーがぐらつく心配はありません。

ホイール用トルクレンチほどの長さがあるレバーを思いっきり引く際にかかる力は相当なものです。サイドブレーキレバーはしっかりと頑丈に取り付けましょう。



最後に

いかがでしたでしょうか?
今回はドリフト走行に絶大な効果をもたらす油圧サイドブレーキに関するお話をさせていただきました。今後もこのような情報を発信してまいりますので、是非とも弊社メルマガにもご登録いただけましたら幸いです。ご質問等ございましたらこちらよりお気軽にお問い合わせください。


※注意:商品名や仕様は最新情報に基づいています。ご購入前に弊社オンラインサイトでそれぞれの商品に関する詳細、アップデートのご確認をお勧めします。

しゃふと屋 パーツリサーチ担当
ミスターX

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